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「生き心地の良い町」岡檀さん


「生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある」(岡檀,2013)を読みました. 自殺率の低さを扱った本「その島のひとたちは,ひとの話を聞かない」(森川すいめい,2016)を去年読んでから,「人とのつながり」や「人への積極的関心と積極的無関心」を気にしています. 今回の岡檀(まゆみ)さんのこの本も興味深く読みました.


煌めく返り花 生き心地の良い町

興味深かったのは,自殺率の高低が「地理的特徴」により長年醸造されたその土地のひとたちの気質性質文化価値判断のではないかと調べてているくだりです.

興味深い!

 ↓

日本の自殺希少地域は「傾斜の弱い平坦な土地で,コミュニティが密集しており,気候の温暖な海沿いの地域」と解釈しています.自殺希少地域は太平洋沿いに多く存在しているそうです.

自殺多発地域の特徴は,「険しい山間部の過疎状態にあるコミュニティで,年間を通して気温が低く,冬季には雪が積もる地域」だそうです.

傾斜(可住地傾斜度,後述)が高く,積雪量が多くなると自殺率が高くなるそうです.

傾斜で調べるって面白いですね.同じ標高でも,山と高原では住みにくさが異なるはずと調べたそうです.で,地図から建物外周線データを使い,市区町村ごとの建物すべてのの中心点直下の土地の傾斜角度を抽出し,統計上の建物数で割ったのが「可住地傾斜度」で上記の傾斜になります.

自殺に関する研究は,社会的支援とソーシャル・サポートが自殺を緩和すると言っており,地理的状況は社会資源へのアクセッシビリティとこれら社会とのつながりに大きく影響するからと書いてありました.

そして,岡さんは何より地理的な背景により長年かけて形作られた住民の気質性質社会的規範などが,自殺に影響していると述べていました.

やはり環境って大切ですな.

きずなや人とのつながりは生きる上で必要ということは,多くの人が知っていることで気にしていることですが,岡さんの本に書いてあった,「援助の求めやすさ」は,人へ干渉するか否かに関連すると思いました.干渉しすぎは相手の援助を求めるを遠ざけるようです.人はひとを自分の思うように動かしたくなるという野暮を減らさなくてはならないのだなと思いました.

人も環境の一部ですの人たちが互いに干渉しすぎないならば,助けを求めやすくなるのかな.

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