特別養護老人ホームで働くまゆみさんにインタビューをしました.参考になりますように.
特別養護老人ホームは、どのような人が利用されていますか
病院から転院して入居する人やご自宅から入居する方がいます。他にグループホームで生活する人達は、認知症の病状が進み、レベルが下がってグループホームでの対応が難しくなり、生活するところを探して特別養護老人ホームに入居する方がいます。
病院から来る人達は、良くない状況かもしれないです。でも、ご自宅からくる人達は、そんなに悪い状況ではないです。
自宅は生活する上で段差があるのが普通ですが、施設内は段差がなかったり、入居されて生活しやすい状況の場に変わるということもあります。 施設の規模は,6ユニットがあり各ユニットに10名くらい、52人が定員で、他にショートステイのお部屋があります。
入居している方々は、どのような生活をしていますか
自分の部屋でお習字している方もいれば、部屋でテレビを観ていることが好きな人、みんなでソファで並んでテレビを観ている人達もいます。
男性の方が少なく2割弱くらいです。
私は機能訓練指導員として体操を集団で行うこともありますが,しかし,特別要路号人ホームでは、生活の中でケアスタッフさんが体操を取り入れ行っています。
老人保健施設だと「家に帰るために運動しましょう。練習しましょう」となるけれど、基本特別養護老人ホームでは生活の中でさまざま対応します。
あとは週に1回集団での体操時に機能訓練指導員として入居者さんの体操を行う様子をみることで、変化が分かります。前に出来ていたことが出来なくなった、30分集中出来なくなったとか、細かい動きが出来なくなったから、もしかしたら日常生活内の歯みがきも出来なくなったのでは?と気が付いて、情報を投げてあげるための場になっています。
どちらかというと、体操によって体を鍛えましょうという所に目的をおいてはいません。
看取りが必要な人へどのように関わっていますか
看取りをする人数は年によって4、5人から10人と違いがあります。
今後、特別養護老人ホームに入居している人たちが、家族の理解が得られれば,特養で亡くなっていくのではないかと思います。
ただ、少し具合が悪いと思って入院したら病状が悪くなってしまい、特別養護老人ホームに戻れなくなってしまったという事例はあります。
「ここからは自然な過程で」という考えの人が増えていけば、特養での看取りが増えるのではないかと思います。
そして、病院でチューブや点滴に心電図に囲まれず、施設内で穏やかで、きれいな最期を迎えることの意味合いが伝わっていけば、そしてそれは「見捨てることではない」という理解が得られれば、無駄な医療費も使わないし、本当にいい形で最期を迎えることが出来ると思います。
職場にこういう職種がいたら、こういうサービスが設備があったら、ということはありますか
車いすのフィッティングに詳しい人は絶対にいた方が良いです。
あとは、ハンドマッサージやアロママッサージ、セラピー犬とかは絶対いたらいいなと。赤ちゃんや子供と接する機会があるとみんないい笑顔になると思います。音楽であれば生音を聞くチャンスがあるのは良いです。例えば、学生たちが合唱で来てくれたり、ハンドベルの演奏会とか、太鼓など、そういう生の音楽を聴いているときの皆さんの様子は見ていていい感じがします。
高齢者が入居できるシェアハウスを企画しています。どう思いますか
それぞれが家庭で生活した段階から一気に特養に来るのではなくて、その中間地点、その過程の中にこういうシェアハウスみたいのがあるのかなと思います。
1人で生活するのは、例えば買い物や気持ちの面でおぼつかないという人と人が寄り添い合えば、うまくいく段階があるのではないかな?と思います。
シェアハウスという住む場所を選ぶことによってもれなくコミュニティがついてくる、そういうところなんじゃないでしょうか?
元気な時は会社がコミュニティになるけど、家ではコミュニティがない人がいっぱいいる。だから会社に行けなくなると、いっきにコミュニティの繋がりがないところに戻ってしまうから、それをどうやって作るかかな、その解決策としてシェアハウスを使うのも1つかと思います。
まゆみさんが今後は.、「最期を迎える場所」として特別養護老人ホームがありうるのだとおっしゃっていました。
病院で最期まで死に抗うのか,それとも死を受け入れ穏やか時を過ごすのか考えさせられます。
多くの人は自分の親の死は初めての経験です。そんなこと考えられないという人もいるでしょう、親がこうしてと言ってきたが受け入れがたいという人もいるでしょう。子供に任せると決めた方もいるでしょう。あらかじめすべてを決めることはできませんが,少なくとも親を看取った経験のある方々の話を聞き、自分も親と話したいです。
とてもよいお話をありがとうございました.Special thanks Mayu,Nori & Tasuku