今回のインタビューはまーさん。
ご家族のことや、シェアハウスについてお話ししてくださいました。
▼現在の生活について
12年前に母が心臓の病気でペースメーカーを入れました。それを機に、月に何回か、週末は電車で片道1時間半ほどの距離に住む母の家に通い、身の回りの手伝いをしたり、食事をしたりしています。7年前からは弟にも協力をお願いし、兄弟2人で交代で世話をするようになりました。
母は、3年前に要介護1になり、医者からも認知症のけがあると診断されました。そのときに、いっしょに特養老人ホームへ見学に行ったところ、本人から「入りたくない」と言われました。「こういうところにいると自分はボケるから」とのこと。本人の意思を尊重し、自宅での生活を続けることにしました。自宅での生活を続けるために、週にそれぞれ1~2回ほど介護士の方と看護師の方に訪問していただいています。
また、母は自分自身で健康を管理しており、具合が悪くなるとショートステイを利用しています。昨年の暑さで体調を崩し、夏のあいだ1ヶ月間ほどショートステイを使っていました。
私自身も今年で60歳。徐々に体力が衰えているので、ここ最近は月に1回しか通えないこともあります。弟と連絡をとりあって、兄弟合わせて月に3~4回は顔を出せるように、とは思っていますが、お互いに無理のない範囲でやっていきたいところです。
▼母の家での生活について
母の家に行ったときは、大きな買い物を手伝ったり、庭の手入れをしたりします。何よりも母にとって一番大事なのは人が行って話すということだと思います。
平日は自力で外出ができないため、「外で食べたい」という本人の希望があり、朝ごはんは必ず車を出して外で食べるようにしています。
▼認知症について
認知症のけがあるものの、治療はやらないつもりでいます。
そもそも認知症という診断を本人が受けたらショックを受けるという判断もあります。
母は性格的に、問題を内面化しやすい人です。高齢になり物忘れがひどくなることは自然なことだと思いますが、母はそのことを気にしすぎています。また、これは私の持論ですが、認知症は治療をするよりも、人としゃべったり、ふつうに生活をしたりするほうがいいと思っているのです。
▼これからの生活について
母は、86歳です。「もうここには住めないわ」、「もう一人暮らしはできない」と本人が言ったら、今の生活スタイルが変わるときでしょうか。その時は、特養老人ホームにいくつもりでいます。
ただ、母には自分の生活のことは自分で決めてほしいと思っています。自分で決める・主体性をもつことは、人が幸せに生きるために欠かせないことだと思うからです。
▼本人はどのような生活を希望していますか?
現状維持の気持ちが強いので、特にそれぞれのポイントで意思はありません。「わかんないわ」というのが口癖になっています。でも、本音は毎日私に来てほしいと思っているようです。
▼嫁が介護を手伝うことをどう思いますか?
全くそう思いません。お互いに困るし、幸せにはならないでしょう。
▼お互いにとって理想の生活はどのような生活ですか?
同居です。少なくとも母の認知症は同居によって改善されるかもしれません。ただ、私の住んでいる家自体が同居できるほどの広さが確保されておらず、ハード面から、このプランは採用できていませんね。
▼高齢者シェアハウスをどう思いますか?
社会的に望まれていることだと思います。また、人の組み合わせがうまくいったときには、とてもいいものになると思います。ただ、組み合わせがうまく行くような仕組みをつくらないと、運営側も、入居者側も困ると思います。