友人が分担著者である「ラーニングフルエイジングとは何か」(ミネルヴァ書房,2017)に住まいのことが書いてあるから参考になるのではと書籍をくれました.
今回はコレクティブハウスについてまとめます.
キーワードは,「近隣住民同士の支え合い」です.
スウェーデンのコレクティブハウス
ヨーロッパでは,古来ユートピア思想を起源として人々の共同住宅(コ・ハウジング)を理想とする考えが存在した.後に,コ・ハウジングは「コレクティブハウス」として発展した.
ストックホルムでは公的な賃貸住宅施策として2種類のコレクティブハウスをを供給している.
①多世代型コレクティブハウス(母子家庭,障害者世帯,高齢者単身世帯),
②シニア型コレクティブハウス(40歳以上の子どものいない世帯を対象.家事労働分担の仕組みがある)
気になるのはシニア型です!
シニア型コレクティブハウス
食事当番,住宅メンテナンスなどの業務分担をしながら共生生活をする.
「役割は厳密な義務付けがされているものではなく,体調の悪いときなどはお互いが助け合い役割を補いながら過ごしています.重い認知症にさえならなければ最後までこの家に住み続けることが可能です.ホームヘルプサービスを利用しながら隣近所の助けを借りて,この住宅で最期を迎えた人も数人存在しています.」
制度もすごいのですが,その選択をしている人たちがいるってことがすごいですね.支える住民もいるなんて.
煌めく返り花プロジェクトも,できる限り最期までシェアハウスに住んでもらいたいと思っています.ただ,思うのと実際は異なるでしょうから,時間をかけてどのようにやったらいいのか見つける必要があると考えています.
「コレクティブハウスの生活は,社会参加,役割の獲得,健康の維持,孤独感の払拭,住民同士の支え合いなどの観点から,高齢者の心身状態に確実に良い影響を及ぼすものです.」
このあたりは納得です.プロジェクトも隠れテーマがたくさんあります.上記はそれととても似ています.
超高齢社会における日本の住まいと住まい方の提案.
様々な海外の住文化の学びを通じて新しい価値観を構築することが重要である.住まいを所有することに捉われず,ワークライフバランスを見直し地域活動にもっと積極的に参加することによって互いに助け合う絆を取り戻すことも可能で,
それが住まい方につながる.
にしの雑感
政治経済に住まいと住まい方は影響を受けている.
コレクティブハウスは住民同士の支え合いでできている.支え合うことは住民の利益となる.外部からの介護を受けながら終末期を生きることは可能な場合がある.