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執筆者の写真煌めく返り花

ネガティブ・ケイパビリティ



帚木蓮生(ははきぎほうせい)さんの「ネガティブ・ケイパビリティ」(H29,朝日新聞出版)を読みました.ネガティブ・ケイパビリティは「性急に証明や理由を求めず,不確実さや不思議さ,懐疑の中にいることができる能力」を意味します.

人はすぐに答えを欲し,その場で解を得たいと思います.私の場合その傾向は年と共に「答えが分かっている」という思い込みに近い気持ちと重なり,「即回答」することに価値を置くようになっていました.困っている人をそのままにしておく,問題を来年に持ち越すことは今でも好きではありません.しかし,少し状況を待つ,答えが出なくても答えがいつか出るかもしれないからということが少しずつ必要であり,得策であると思うようになってきました.

やはり「わかって」しまうと「わかった」と終了することが,「わからない」と長らく「どうしてかな」「どうなるかな」と待ち続けます.その間に,見聞したことが答えとなったりします.

シェアハウスで活用したいものに「ダイアローグ(対話)」があります.こちらは複雑な問題があった際に,関係者が集まりそれについて話し合います.困りごとについて各々が考えを述べることを通して,自分の固まった考え方に気づいたり,こうしたらよいかもと案が生まれたりし,複雑な問題が軽くなっていきます.このダイアローグの間,(私ならこう解決するのに!!)と即考えてしまう気持ちを横に置き,全員の意見を聞きます.これもネガティブ・ケイパビリティのような待つ態度が必要です.即決即答だけではなく,じっくり取り込むことに世の中の考えが映っているかもしれませんね.

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