職場の老人ホームで節分の恵方巻と鬼が姿を消したと思ったら、お雛様が早くも登場した。コロナ禍でいろいろなイベントが中止となる中、季節を感じられるようにとの配慮の様だが、なんだか追われているような気分にもなる。この一年私たちの生活は大きく変わってしまったが、自然は変わらずに時を刻んでいる。立春を迎えて梅の花が綺麗にさいた。白梅・紅梅、葉を落とした茶色い幹にその色合いは鮮やかだ。花が咲いてその存在にはっとするが、開花ための密やかな準備にはなかなか気づかない。
梅の花は早いものは1月の中旬からほころび始めた。この梅の花より前に準備を始めた花がある。桜だ。正月明けにそめいよしのの枝には花芽がつき始めた。まだ茶色でよく見ないと枝と区別がつかない。数か月先の開花のための準備が今年も始まったことを確認した時、なぜかほっとした気持ちになった。まだ、花も咲いていないのに、桜の木の下にたたずんで枝をしばし見上げてしまった。去年の4月桜が開花して、非常事態宣言がだされた時、「桜は来年も咲きます。今年のお花見は自粛しましょう」と言われた。新型コロナウィルスについて、まだなんだかよく判らない状況で、とりあえず来年までお花見はお預けしようと我慢した。
桜の花は確かに今年も準備を開始してくれている。でも、今年もいつものようなお花見はまだできそうになさそうだ。去年と違うのは、感染対策が必要な状況で、どうしたら桜を楽しむことができるのか、考える時間があることだ。コロナ禍のお花見は2回目だ。「こんなに我慢した生活がつづいたから、是非とも桜を楽しみたい」という気持ちはやまやまだ。ビニールシートを敷いての酒盛りは無理だとしても、桜の花を楽しむ方法を、今から考えてなんとかしたいと思う今日このごろ。
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